case楽天ヴィッセル神戸株式会社

楽天ヴィッセル神戸株式会社

菊地 隆之 様

楽天ヴィッセル神戸株式会社

「ヴィッセルに関わるすべての人を幸せに」
「VISSEL」は英語の勝利「VICTORY」と船「VESSEL」を合わせた造語です。
「勝利の船出」を意味し、国際港湾都市神戸をイメージするとともに、市民の夢を乗せ、勝利に挑戦し続けるクラブであることの誓いを込め躍動しています。

ヴィッセル神戸だけではなく、神戸の街・人、そこにあるすべてが、立ち止まることなく、永遠に前進しつづけていきたいという想いを強く持っています。
リンクエイジはそれを受け止め、写真を中心としたクリエイティブで想いを届ける助力させて頂いています。
ファンとの一体感をどのように体現しているのでしょうか?そこで弊社の役割はまっとうしているのでしょうか?
お話頂いたのは、ご担当者の菊地様。インタビュアーはリンクエイジ代表の藤田。

Qクラブの理念やスローガンを教えてください。

THE No.1 CLUB in ASIA
一致団結

アイデンティティはずっと変わりません。なお、この「一致団結」は弊社取締役であった故三木谷良一氏がクラブの根幹を成すコンセプトとして、強い思いをもってクラブに贈った言葉で、ヴィッセル神戸に関わるすべての人が1つの家族「ヴィッセルファミリー」となって強い絆で結ばれ、これからも同じ夢を目指して神戸の街と共に歩んで参ります。

Qリンクエイジと出会う前、写真等の販売でどんな課題がありましたか?

リーグの規制や肖像権の問題もあり、積極的に写真販売を行っていませんでした。
10年ほど前はそもそも映像や写真が少なく、その後増えてきましたが、大元の協会やリーグ自体にその加工や二次利用ができるような自由度はありませんでした。
映像は規約がまだ多く残っていますが、写真は少しずつ緩和されてきた傾向があります。
昔はJリーグフォトという会社が写真関係を取りまとめていましたが、その会社はなくなり、リーグの一部門に吸収されていきました。
それがターニングポイントだったように思います。

Q導入後解決されましたか?

コロナ禍で、スタジアムで観戦できない状況になりました。ファンからは悲しみの声とともに、そのような環境下においても熱い応援の声が集まっていました。
そのようなファンの方々に、なんとか選手やクラブとの繋がりをご用意したく、写真を届けたいとなりました。
メモリッジを利用した結果、クラブの手間も最小限で実施できており、ファンとの繋がりも強固なものになったように感じています。

前述のとおり、かつては写真や映像をクラブの資産として自由に利用したかったのですが、その範疇はリーグや協会にとって重要な収益源だったため、なかなか改革が進みませんでした。
しかし、一方クラブの現場としては、そこをビジネスとして使いたいという思いが強くありました。
今後、権利関係の整理が進んでいけば、配信サービスなどにおいて楽天グループのリソースをうまく活用することで、ここからまた必ず新しい世界が見えてくると確信しています。

そのようになったあかつきには、様々な場所でリアルタイムで試合の映像を流す、といったことも案として考えています。
例えば、海外では試合から数週間経てば放映が可能であったり、映像を使ったりDVDに加工することも難しくありません。

全体のルールを変えるのは、各クラブから組織に対して声をあげていく必要があります。
ビジネス的なところを考えている他クラブもあるでしょうし、リーグが取りまとめてくれた方がいいと考えているところもあります。
小さい組織だとリソースが足りない場合もあります。
どこに重点を置いてどこを捨てるか。将来を見据えたうえで、各クラブの方針に沿って設計していく必要があると考えています。

試合を観に来るリアル × バーチャルを掛け合わせたビジネスを展開していきたいと考えており、そこでキーになるものの一つが素材としての写真だと思います。
スタジアムに来る意味を与える、熱量を伝える手段として、リアルに肉付けをしていく素材として使っていきたいと考えています。
スタジアムに早々に実装した5G通信のサービスを使って、マルチアングルで試合が見れるような仕組みや、eスポーツなどもこれから展開していきたいです。
現状でも手元の映像を大型ビジョンに飛ばしたりもできるんですよ。なんと、大型ビジョンにTV画面を映してウイニングイレブンをやってみたこともあります(笑)

ノエビアスタジアム神戸は、スマートスタジアム=リアル × バーチャルのハイブリッド施設を目指しています。
リアルにバーチャルな配信コンテンツを掛け合わせることで、クラブ自体を内側から強くするための収益性も生まれます。

コロナ禍が継続する中、そして世の中でキャッシュレス化が加速する中で、組織力を活かしチケットレスやQR決済などのシステムも絡めていきたいと考えています。

このように楽天グループの複合的な力をもって、ヨーロッパのチームがファンベースをしっかり確立しているように、さらにファンを増やしたい思っています。
多様な人々に適したサービスや価格帯の幅を用意し、金銭面以外のメリットを創出することで、より多くの人にファンになってもらうきっかけを提供し続けていきます。
最終的には、ノエビアスタジアム神戸を、神戸のスポーツ&エンターテイメントのプラットフォームにしていきたいと考え、取り組んでいます。

Qこれからのリンクエイジに何を期待していますか?

写真を通したコンテンツ活用のバリエーションを、ともに増やしていければと思います。
メモリッジの写真を活用し、スタジアムのどこかにフォト展示コーナーを作ってみたいですね。
写真を素材として使えば、ポスター・バナーだけでなく、ユニフォームやスパイクなどに加工して、それを飾ることもできます。
写真はコンテンツのベースになる素材です。そこに価値を作ることができるものです。リンクエイジと一緒に「価値作り」に取り組んでいきたいですね。
スポーツはストーリーが決まっていないので、価値を作ることが簡単ではありません。
写真も、時期や被写体、使い方などによって価値が変わるという点で似ていると感じています。
またスポーツは、衣食住ではありませんが、人の生活を豊かにするためのものです。写真も、衣食住ではないが、人の生活を豊かにするものです。

ヴィッセル神戸の中で私は「感動を作る仕事」「感動を残す仕事」をしています。
「想い出を、より最高なものに」していきたいです。
今はコロナもあり、街も人も元気がなく、イベント関係もなくなり活気がありません。
だからこそ、自分たちができることを模索したい。お金で買えない感動を提供できるかもしれない。お金で買えない価値を創出することができるかもしれない。神戸は復興のシンボル。絶対に底力のある街、日本中に力を与えられるような街ですから。
人の楽しみを作ることで、世の中に力を与えていきたいですね。人の楽しみを作り、生きる力を増幅させられる仕事は素晴らしいものです。
人はその瞬間のことは忘れてしまいます。だから今を残せる写真は、「すべての愛を形に変える」というリンクエイジの理念、そしてその人たちの生み出す写真と親和性が高いのです。

ちなみに、私先日、某アーティストのコンサートを見て、エンタメとして感動しました。
そのアーティストがそこでパフォーマンスをして、写真や映像で残して、そこにビジネスがあるということは、それが既に大きな価値だということを証明していると思います。
残しておける価値として、「時間」「空間」をビジネスに、そしてそれを、人の幸せに昇華させることができると信じています。